ペルソナ3R、4G、5Rの感想を書き下す
ペルソナ初体験の年
趣味をゲームと言って差し支えないほどには、余暇をゲームに費やしている。 わかりやすいところで言えば、フロムソフトウェア系のゲームは一通り楽しみ好きな作品は攻略要素を一通り味わう(いわゆるトロコン)くらいにはやり込むし、ドラクエやFFは概ねどれも触れてきたし、そういった大型タイトル以外にもインディー系のタイトルを楽しんだりもする。
なのだけど、アトラス系のゲーム、言い換えると女神転生やペルソナはこれまでほとんどやってこなかった。なんとなくピンと来なかった、くらいの理由。
ただ、ゲーム好きを自認しているなら、一定のジャンル内での地位を占めているものがどんなものなのか試してみるのも必要だなと感じて、手を出してみたのが今年。 1
PSでのプレイができて比較的現代的になっている3R、4G、5Rと今プレイできる三部作をクリアしたので自身がそれに抱いた感想を記そうと思う。
ゲームの要素ってなんだ
元の記事が手元に見つからずメモだけなのだけど、押井守監督が以前にインタビューで、映画の要素は重要順に「世界観」「物語」「キャラクター」だと言っていたらしい。2 ゲームだとどうだろう。うまく映画の話とは解釈が追いつかず当てはめ切れないのだけど
- ストーリー展開(=無理のない設定になっているか、ファンタジーなりに筋が通っているか)
- キャラクター(=なぜ彼ら彼女らはかくあるように振る舞うのか)
- ゲーム体験(=それらをプレイヤーにどのように感じさせるのか、どのような映像や表現で見せるのか)
が中心にあるような感覚を持っている。
そして、よくプレゼンテーションなどについて「内容」と「伝え方」の掛け合わせで成果は決まると言ったような表現がされるうちのストーリー展開・キャラクターが内容で、ゲーム体験が伝え方なのかなと思っている。
長い前置きを置いているのだけど、あえて言い切ると、P5Rが圧倒的に楽しく、それ以外は人を選ぶ、と言う感想に至った。 今回、ゲームシステムが徐々に改善されていることを見越しつつ、前評判の良いP5Rを最後にプレイした方が良さそうという読みからこの順番でプレイした(P4G -> P3R -> P5R)のでその順に触れていく。
ちなみに、P4G:60時間、P3R(+エピソードアイギス):90時間、P5R:100時間で、P5Rだけはトロコン、他は全コミュMAXなど特定のサイド的やり込み要素を完了してない。
踏み込みすぎて厳しかったP4G
ストーリー展開・キャラクター
オリジナル作品発表からもう直ぐ20年、P4Gも既に15年経過というところで時代背景とのズレが出るのは仕方ないと思いつつ、今の世間感とは合わない表現・描写が多くて、それを面白いと思っていると言う空気に強烈に寒さを覚えた。
例えば、いわゆる少女趣味を持っている男性がいて、その男性を性的嗜好(ゲイ要素)と直結させる必要性は感じなかったし、そこから何故かハッテン場を攻略の舞台にしてしまうし、当たり前のようにホモいじりがされてしまう感じには「平成」を感じた。
確かに20年近く前だと、そういういじりは世間でよく見られたから、それがゲームに盛り込まれるのもデフォルメしてわかりやすいキャラクターにしたと言う点ではわからなくはない……けど、だいぶ今の世の中の雰囲気とは違うから、そういった表現が結構プレイしていてノイズだったかな。
↑のキャラクター以外にも大体のキャラクターの個性は過剰にデフォルメされていて(そんなに「肉肉肉」って言って「肉ガム」渡してくるやつって異常じゃない?、「ザ・ツンデレ」みたいな変なキャラクター作ってゴリ押ししすぎではないか、など)、微妙だなあと言う気持ちだった。
そんな中で堂島親子については、確かにこういう人たちっているなあというリアル感があって、その人たちの葛藤について触れるとき、心にくるものがあったかな。
あと、主人公は体格も良くシュッとしていて、彼が人間パラメーターであれもこれも高い、短時間でいろんな人とうまくやりながらいい展開に持っていくことには違和感がなかったのはよかった。
ゲーム体験
とにかくダンジョン攻略が退屈だった。 依頼でものを取りにいくために度々ダンジョンに入り直すのだけど依頼を受けてから出ないと同じ敵からでも獲得できない仕様で、その上雑魚敵とも毎回戦う必要があったのでそこにかなり時間をくった。端的にいうと作業感が強かった。
その上、通路が狭いことも多く、こちらで先制が取れないことや、戦闘でのデフォルトの命中率が体感低めなように思えたこともあり、ストレスを感じやすい。この点はP3Rでは少し改善され、P5Rではほとんど何も感じないほど良くなっていたので、プレイの順番は正しかったなと感じた。
一点だけ特筆したいのは、音楽。ゲーム音楽については挿入歌、ダンジョン音楽なども含めて、心に残ったものが多かったのはP4Gだった。(Pursing My True Self, Heaven, Never moreあたり。P4D, P3D, P5DそれぞれプレイしているがP4Dだけは好きな曲が多くクリア後も時々プレイしている)
エンディングも、なんだかんだで過ごした1年を電車に乗りながら振り返るその最中に流れるあの音楽が実は作中のXXX(エンディングを聴いている時に気づいて感動したのでネタバレ防止で伏せ字)で使われていたのに気づいて、そうかあ、最初からこれを聴くためにここまで過ごしていたんだなあと、グッときた。
オタクくんの夢のP3R
ストーリー展開・キャラクター
なにより気になったのは、P3R本編での終わり方。もっというと、終わり方の見せ方、かな。 後日談たるエピソードアイギスを進めるとすぐにその終わり方の「意味」を理解させられるものの、え、なんでそうなったの?どうした??という気持ちが拭いにくい流れで惜しい感じだった。 DLCで追加の別枠にせずに、ダンジョン規模とか小さくしつつ本編に組み込めなかったのかな、というのは感じたところ。
それから、主人公が明らかに並の体格のふつーのオタクくん、という感じなのに、大人数の不良との喧嘩に勝利を収めたり、3人がかりの不良から女の子を救っていい格好をしたり、かと思えば、全然参加していない部活の大会でいきなりそこそこの成果を出したりして、主人公に都合が良すぎるなあという感じだった。
P4みたいに端から体格が良くてちょっと強そう、という設定値があればまだわかるものの、なんだか「キレたら何するかわからん」キャラを綺麗にした版、に見えてしまって終始違和感を拭えなかった。
私立とはいえ、ご令嬢の権限強すぎない?とか、っていうか話し方なんかおかしくない?とか、アイギスが機械なのってほんとにみんなわからないもの?とか、そういう細かいことが気になったりはした。
それからコミュがMAXになった人の一定割合は街から離れたりなんなりして会えなくなって、街がどんどん寂しくなっていくのはなんだか独特な感じだったな。
あとは、シリーズを通じて、ペルソナを使用できるようになるシーンやきっかけというのは大事な気がするのだけど、使うまでに相当躊躇っていた人もいる中で当たり前のように主人公や新規加入メンバーが何かをわかって、当然の如く銃口を頭に向けて撃つポーズをするようなあの流れも違和感はあった。 ゲームの中でも大事な要素だと思うから、そこはもう少し丁寧な扱いをしてほしかったかな。
ゲーム体験
やっぱりこっちもダンジョン攻略は退屈だった。 ただ、依頼でものを取りにいく、みたいな流れはなくて人を救いにいくのがあるくらいだったのと、P4Gに比べて、走る速度が速くなっていて(?)また通路が広いかつある程度準備していれば基本は先制が取れるので、戦闘で感じるストレスの程度は低かった。 とはいえ、弱い敵との戦闘でもスキップはできないので、面倒に感じるところは残った。
また、エピソードアイギスはそのダンジョンだけがほぼ攻略要素だったので、そこに楽しみを見出せる人以外にはかなり厳しい印象だったかな。
音楽はとてもよくて、特に本編の It’s going down now とエピソードアイギスでの Don’tなど、歌詞を対比するとストーリーの進行に伴った心境の変化が伝わってくるようでよかった。
楽しませてくれるP5R
ストーリー展開・キャラクター
個人的に、P5Rは「なんで?」という雑音になる違和感がかなり少なくて、それに対して、ストーリー展開上の納得感や意外性(「え、なんか変だと思ったけどそういうこと?!」「この人、こうなってまた出てくるのか」など)も複数あり、よくできているなあと驚いた。
個人的に、あまりに物分かりが悪くてうるさいので嫌いだったキャラクター、などはいたものの、デフォルメされているというよりは、この年頃の人の中にはこういう人もいる、という範疇に収まるキャラクター設定になっているように思えた。そのおかげで、それぞれの話が、それぞれの価値観から見てどうなのかを素直に考えやすいいい流れだった。
中盤までは、ある一定時点の現在とそれを回想している体で過去に戻るのとを繰り返し、そこから大盛り上がりのところで冒頭シーンに戻して現在から先に話が進んでいく、というのもなかなか綺麗な展開でうまかった。
細かいところでの作り込み(電車で座れたから本を読めるとか、医院の掲示感のリアルさとか、授業中に投げかけられる内容の適度な難しさとか、わずかにだけどプレイできるテレビゲームとか)がされていて、世界に浸りながら楽しませてくれていてよかった。
コミュがMAXになったときに、それぞれが思い思いに、あなたって怪盗なんでしょう?でも、応援しているから、という趣旨の話を、それぞれの背景ごとに伝えてくれるのもよかったな。それがエンディングに向かう流れにも繋がっているように思えて、一つのストーリーへの収斂感を醸せていたと思う。
ちょっと崩してきたなあと思って気になったのはタロットカードかな。 「信念」「顧問官」って耳慣れない要素きたなと思ったら、どうやらエテイヤ版タロットに存在するもので、普段多くのケースで耳にするのはマルセイユ版タロット、という違いがあったのだと思われる。
ゲーム体験
ダンジョン攻略で前から不満だったのは、広すぎるダンジョン、長い戦闘時間、よくわからない見た目で弱点がわかりにくい敵との戦闘、という点だったのだけど、これらがすべていい方向に変わっていたのもとてもよかった。
広すぎるダンジョンは移動がバス(笑)になり走るよりも速くなったし、戦闘時間はレベル差が一定程度あると戦闘をスキップして敵を倒せて経験値もちゃんと入るので楽ができたし、その上、ダンジョン内で徘徊している格好は一律同じような格好のシャドウでも、戦いになるとペルソナ(悪魔)の姿になるように変わった。
2つ目と3つ目の点は自身がレベルを上げてペルソナを強くしたり合体を繰り返して名簿を充実させたりすれば、敵との戦闘が楽になったり戦闘になった時にもその敵の特性が直ぐに見破れるということで、いい循環になっているように思った。
加えて、ボス戦前に予告を出す制度によって、P4のように攻略対象のダンジョンを用意しその中でストーリーを出していくという方法を取りつつ、攻略と戦闘を明確に分けさせてくれるのは気持ちが切り替えやすく、流れに気持ちを乗っけやすかったのでよかった。
そして、PlayStationで準備されている攻略要素としてのトロフィーと、それよりもさらに細かい攻略要素としてのゲーム内アワードを分けていた点も興味深かった。 例えばP3RやP4Gでは全コミュニティとの交流をMAXにしたり、裏ボスと言われる強い敵を倒すことを条件にしたり、2週目にならないと作れないペルソナの作成を条件にしたりしていた。
が、そういった要素は今回のトロフィー設定にはなくて、いわゆる真エンド+ある程度狙えば達成できる挑戦要素を順当にやればトロコンできるような内容になっていた。(細かでより難易度の高い挑戦はゲーム内のアワード側に設定されていたが、これは一切やらなくてもゲームに影響しない、My Palaceというところで使う通貨に必要なだけ)
昔ほどゲームをするプレイヤーの時間に余裕がなく、対抗馬となる娯楽も多いという事実を踏まえた現代的な進化だなあと思って3作連続プレイをしている中での密かな感動ポイントだった。
音楽については、正直過去作に比べると良くも悪くも「BGM」という感じであまり印象に残っていない。 とても有名なP5(≠P5R)のオープニングのWake Up, Get Up, Get Out Thereと、オタカラを奪う時に流れるLife Will Changeくらいしか印象に残っていない。 全体的にカッコ良さ、疾走感、みたいなのが強いのだけど、そのせいか、また聞きたいとか思わず口ずさむとか、そういうことはほとんどなかったかな。かっこいいんだけどね、不思議。
流行りものは流行っているうちにやるのだ
ゲーム全体としての仕上がり・楽しみやすさ、ノイズの少なさは圧倒的にP5Rだった。メジャーな作品は全部踏んでいきたい、という価値観を持っているのでもない限り、P5Rをやれば十分ペルソナを味わえるように思う。
プレイ時間を比較するとどうやらP5Rに最も時間を使っていたようなのだけど、体感ではP4Gと同じくらいだと思っていた。(P3Rが一番長く感じた) 実際には長い時間を遊んだのに、そう感じていないというのは、それだけ夢中になれた時間が多かったと捉えても差し支えないように思う。
自分の持つ価値観として、流行だからという理由で乗るのではない、流行だからという理由で乗ると流行の移り変わりに乗り切れずに疲れてしまうから、といったものがあった。 その結果として、流行りすぎると、流行っているから流行っているのだ、とあえて距離を置こうとする態度があった。
それも一ついい考え方なのだろうけど、一方で、10年前なら10年前、20年前なら20年前、そのときにしかできなかった内容や技術的な表現などがあるはずで、そのコンテキストを込みでの方がより楽しめる、というものもあるんじゃないかと最近思う。
だから、流行が落ち着いて多くの人が見向きしなくなってから吟味する、という態度だけでなくて、面白そうと思ったら流行りに関わらず乗ってみる、というのも、ゲームを(人生を?)楽しむためには必要なのかもしれない。
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正確なことを言うと、Switchの配信でプレイできるスーファミの女神転生はやったことがあるけど、昔のゲーム特有のゲームシステムの不親切さもあって面白さががわからなくて敬遠していた。 ↩︎
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ぴあの記事の切り抜きを載せている例を見かけたが自身が見たのがそれかは不明。正確な情報ソースにはならないけど Fandomのページ は参考になるかもしれない。 ↩︎